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タイで売れる日本商品とは!? 〜タイにおける日本商品の輸入から流通まで〜

タイを知ろうぜ!Vol.3

タイで売れる日本商品とは!? 〜タイにおける日本商品の輸入から流通まで〜

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皆さんこんにちは!DTK ADの木村です!

第2回からかなり時間が経過して、企画倒れ?との噂もありましたが、ご安心ください。

時間が経過した理由もアレです、アレ。

練りに練った自信作の第3回をお届けする為ですよ、皆さん。

 

さて、タイを知ろうぜ!第3回目の今回は「タイにおける日本の商品の輸入から流通まで」というテーマでお届けしていきますよ。

 

第3回はタイで日本の商品に特化した輸入・流通を行うSiam Ohyamaの齋藤さんをお招きして立ち上げから現在に至るお話や、輸入・流通についてのお話をたっぷりお聞きしたいと思います。

 

そして今回ももちろん、バンコクのパーフェクトヒューマン【ミスター藤江】もお招きして、法律の切り口から様々なアドバイスを頂いていこうと思っております!

GVA Law Office (Thailand) Co., Ltd. 代表 藤江大輔さん  

 

では皆さん第3回目もお楽しみください!いっきまーす!

SIAM OHYAMA CO.,LTD. 代表 齋藤好胤さん  

 

木村:

さてさて始まりました!第3回タイを知ろうぜでございます!

齋藤さん、藤江さんよろしくお願いします!!

 

齋藤:

よろしくお願いします!

 

藤江:

よろしくお願いします。

 

木村:

さて、齋藤さん、まずは読者の皆様に齋藤さんを知って頂く為に齋藤さんの経歴をざっくり教えて頂けますか?

 

齋藤:

大学卒業後ゴルフとスキーの専門店で働き、そこでスノーボードに出会ってしまい、働いていたスポーツ店を退職しスノーボードのプロを目指しちゃいましたね・・・。

結局一歩届かずプロへの道を断念しなぜかドラッグストアへ就職。

現在所属している株式会社大山営業担当者と商談中に「ぜひうちへ来ませんか!?」と引き抜きにあい、2005年7月に株式会社大山仙台支店に入社。

その後2011年の大震災で実家を失い、2011年9月東京本社へ転勤。

東京で約2年間勤務し、2014年タイへといった感じですね。

 

木村:

齋藤さん、ご説明ありがとうございます。

プロのスノーボーダー目指されていたの初めて知りましたよ笑

人と人との繋がりの中で今の職につかれたという流れなんですね。

タイに来られる事になった具体的なきっかけってあるんですか?

 

齋藤:

実は得意先さんががきっかけなんです。

株式会社大山入社後、東北に出店攻勢を仕掛けているとあるドラックストアのサポート要員として大山に入社したんですが、いざ得意先さんの新店舗陳列に行ったら、大山から納入されている商品はほんのわずかという状態でした。

化粧品卸なのに自分達が手がける商品が新店舗には皆無。化粧品コーナーで化粧品を触らせてもらえる状況ではなく、洗剤やティッシュ等の陳列ばかりしてましたね笑。

この状態が半年間ほど続き現場でかなりの下積みをさせてもらいました。

今でも洗剤とティッシュには詳しいですよ笑

 

その後得意先のバイヤーさんから棚割(年に2回行われる新商品採用商談)への参加を許可され、ここで自社商品が多数採用され全国の店舗へ大量に配荷される事に。

多分バイヤーさんが、化粧品屋なのに毎回洗剤の陳列してるな、可愛そうだな・・・的なお情けも合ったと思いますね笑

 

そこから関係がさらに深くなり、大きな信頼を得ることができました。

そんなとある得意先さんがバンコクに進出。

そのタイミングで、お前もバンコク行くか!?と本社社長から言われ、食い気味で「行きます!」と即答し何も知らない状態で一人タイに乗り込んできたという感じです。

 

木村:

序盤からすごいお話ですね。。

お得意様から齋藤さんへの絶大な信頼のもと、タイの事業が始まったと。

大きな会社同士のやり取りなのですが、やはり現場の人対人でビジネスがまわっているんだなと改めて痛感させられます。

 

齋藤:

ほんと、感謝ですよねー。あの時の洗剤が僕をバンコクへ導きましたね。

 

木村:

素晴らしいっす。いつも誰よりも腰が低く誰にでも愛される齋藤さんだからこそだと思います。

見習わなければ。。

さて、それでは設立当初のお話も聞かせてください!

 

Siam Ohyama 齋藤好胤という漢

 

齋藤:

2014年の2月17日。自分の誕生日に出国しました。

すでにあったタイの日系化粧品卸会社と業務提携をし、その会社を通してタイに商品を流していこうという形に。その会社へ出向という形でタイに乗り込みました。

その代理店へ255万バーツの資本を入れ、商品も準備完了し得意先さんに納品をするという流れまで組み終わったんですが。。

そこの会社にやられました。

資本金で約700万円、売掛金を約300万円くらい合計約1,000万円を持ち逃げされる形になりました。

代理店への初出勤後、翌週にはオフィスの電気が止まり、翌々週には税務署が来てパソコンなども差し押さえられました。

翌々週にはオフィスにチェーンロックがかけられ、オフィスに入ることさえできない状況に。

労働許可証もなし。VISAもなし。タイに乗り込んで1ヶ月も立たずに行き場を失いました。

 

木村:

は、激しい。。はげしっす。。。

 

齋藤:

その時はさすがにない知恵を絞りましたよ笑

学生ビザを取って、1年間ステイできる状態を作りなんとか1年凌ぎました。

その間も得意先さんのところには出入りしていて、いろいろ良くしていただきました。

ただ学生ビザなので仕事はしてませんよ笑

 

その状態が半年続き、タイ語の勉強をしながらブラブラと過ごすニートのような生活でした。

その間にこちらで知り合った同業の先輩駐在員の方たちから起業をすすめられ、単純な僕はあっさりとその話に乗り、そのまま本社に事業計画書と共にSIAM OHYAMAの起業を提案。

役員会で決済を得て9月に資本金が入りました。

そこから会社を作り始めたのですがタイでの会社の作り方などもちろん社内の誰も知るわけもなく自分で全てやることになりました。

 

同時に出向先の代理店で給料の未払や遅延等でひどい扱いを受けていたタイ人のスタッフの協力を得る事にも成功しました。

 

当時はタイ語も英語も話せない状態だったのでGoogle翻訳を駆使してコミュニケーションを取り、会社設立と共に弊社で働いてもらえることになりました。

その子達は今では会社を支える主要メンバーとして活躍してくれています。

 

木村:

おぉ!それが今の皆さんですね!素晴らしい。

そこでようやく会社設立という形でしょうか。

 

齋藤:

はい、そんな流れで最初の4人を採用して何とか自分で調べつつ2015年の1月8日にようやく会社登記が完了できました。

ゴルフや会食で知り合った様々な日本の企業様とお話させて頂いてビジネスの座組を組み立てました。

そこから更にBOIを取得し、現在では日本法人の子会社として営業させていただいてます。

設立当時はプレハブ小屋をオフィスとし、バイクで営業し、オフィス近辺に住み着く野良犬と会話し、毎朝ネズミが取れてるか罠をチェックする毎日でした。

 

木村:

ネズミのチェックまで。。。

当時はメンタル的にも相当キツかったんじゃないですか・・・?

 

齋藤:

そうですね〜笑

タイに来ていきなり洗礼を受け、やることがなくなるといった状況になった時はさすがにキツかったです。

なんとかまわりの皆様の支えのおかげで会社設立に至ったものの、そこからもやはり1人で全てやらないといけない状況で、誰も助けれくれる人がいなかった時は正直しんどいな、と思ったこともありましたね。ま、今も日本人一人ですけど笑

 

木村:

いや、壮絶です。

ですが、ここから齋藤さんの快進撃が始まるわけですもんね!?

 

齋藤:

いやいや笑

 

涼しい顔でとんでもない歴史を語ってくれた齋藤社長。普通人間はダメになります。その状況。

会社設立から化粧品卸事業を軌道に乗せるまで

 

木村:

そこから取扱商品、取引先さんを徐々に増やしていき売上を伸ばしていくことになると思うのですが、ここは良かったな、又はこれがあったから今がある、みないなものってありますか?これだけは守ってきた、など。

 

齋藤:

最初はやはり売上を伸ばすために、タイ現地大手ドラックストア、財閥系小売店などに飛び込み営業をしました。しかしすべて門前払い。条件も委託販売、返品条件ばかりで、置いてはくれるが、口座開設費、商品登録費、毎月の棚台など非常に高いリスティングフィーを要求されました。イニシャルコストもランニングコストも驚くほど高額です。

 

藤江:

委託販売ということは、商品をとりあえず店舗に置いてもらってから、売れた分だけ代価が入ってくるという形なんですね。店舗が直接仕入れ(購入)して、店舗内で売ってくれるというわけではないんですか。

 

木村:

委託販売料も高いですよね。私も代理で百貨店やドラッグストアと交渉したことがありますが、本当にお金くれたら商品置けるよ、というスタイルだったのを覚えています。

 

齋藤:

はい、この国での化粧品卸は90%くらいが委託販売かなと思います。

輸入商品なので、返品はもちろん困るのですが上記条件を飲まないとそこも話ができない状況でした。

確かに委託契約をしてお金を払えば商品は並びます。

でも、売上がない当時から、この悪しき習慣である委託販売契約は絶対にやらない!というところをブレずに貫き通したのが良かったかなと思います。

 

タイ人スタッフにも「タイでは委託販売は普通なのになぜやらないのか?」と社内で口論になることも多々ありました。

当時は売上が全然なくて本当に心が折れそうになりましが、ここだけはブレてはいけないとそこを最後まで折れなかったのは良かったなと思います。

やはり自分たちの商品に自信を持つ!安売りするような商品じゃない!お願いして置いてもらうような商品にはしたくない!と言う気持ちが強かったですね。

 

その後、大手日系ドラックストアがタイに進出という情報が。

そのドラックストアからの依頼で多くのFDA(輸入許可)を所得し輸入&準備をし、オープンと同時にほぼ全ての商品が無事導入されました。

日系最大手のドラックストアがタイに進出ということで、メディアの注目度も非常に高かった中で、弊社の商品が600品近く店頭に並んだんです。そこで一気に大山の認知度があがったんですね。

 

当初無理な条件を突きつけられて相手にさえしてくれなかった、大手ドラックストア、大手財閥グループから問い合わせがひっきりなしに来るようになりました。

 

現在も現地ドラックストア、百貨店、財閥グループ、大手ECサイトからの取引申し込みを断り続けています。

自分達は、あくまで買取・返品不可条件&スタッフがしっかり商品を理解し、ユーザーの手に渡るまでしっかり責任を持ってもらう事を念頭に置いて事業をしています。

日本のメーカーが少なくない開発費で作り上げた商品を、雑に扱ってほしくないと言う気持ちが強いですね。

委託販売の提案はどれだけ条件を良くされても突っぱねています。

ある高級財閥系SMでは勝手に商品を値下げしていたので、商品をすべて引き上げ二度と取引しません!と話したこともありましたね笑

 

生意気かもしれませんが、辛い時期にも信じてブレることをしなかった部分はやはり最後まで守りたいと思っています。それがメーカーさんへの信頼、すでに贔屓にしていただいている得意先への信頼に繋がります。

 

今後も日本からお得意様がまだ進出予定が重なっていますのでさらなる需要が増加するかと見込んでいます。

 

木村:

まさに日系企業同士でのWinWinな関係を築きながらお互い成長していくという理想の形ですね。

近年では韓国、中国からも様々な商品がタイに入ってきており化粧品業界の競争は激化していますが是非日系企業にガンガン勝ってもらいたいですね!

 

齋藤:

はい、まだまだ頑張っていこうと思います。

あと2、3年は良い状況は続くと思うんですが、もちろん商売という物は良い時もあれば悪いときもあると思います。

そこに備え足元を救われないようきちんと仕事も私生活もケアすべきというのは常日頃意識しております。

普段から腰低く、奢り高ぶりなくというところは得に意識してますね。

よくチャラいよね!なんて言われるので、頭下げるときなんて人の2倍下げますよ笑

 

木村:

チャラいよね!は僕も毎日言われます。笑

 

齋藤:

だよね笑

この先バンコクで言えば、日系店舗が200店舗まで行けば多分頭打ちとなると思っています。いつかは飽和状態が来ると思っています。

いつかはローカルストア、財閥系小売店、百貨店のに流通箚せなくてはいけない日が来ます。

その時良い条件で商品をご提案できるように地道にブランド作りをしているという状況ですね。

話が壮絶過ぎて二人の手が止まった瞬間。え?って何度も聞き返したが全てリアルなお話。

 

木村:

なるほど、日系の進出が落ち着いた後の次の展開ですね。

ローカル戦略は我々日本人としてはこの国での一生のテーマですね。

聞いていてワクワクします。

しかし、SiamOhyamaさん、すごいスピードで成長されていますよね!?

 

齋藤:

2期目で累積欠損も全て消すことができ完全黒字化を果たせました。

スタッフ全員が家族や友達に自慢できる会社でいられるように、誰もが欲しがる商品が誕生できる様精進します!

 

木村:

素晴らしい!そして羨ましいっす!笑

 

ビジネスの流れを簡単に説明してください!

 

木村:

素晴らしい理念や今に至るまでのお話ありがとうございました。

さてここからはもうちょっと突っ込んでSiamOhyamaさんのビジネスの流れについてもお伺いさせて頂ければと思っています。

簡単に流れを説明してもらっていいですか?

 

齋藤:

もちろんです。

 

弊社のフローになりますが約2ヶ月に1度、本社からの出張者が新商品サンプル30品程度と共に来タイします。

そのサンプルをタイ人担当者によって選定致します。

選定した商品を得意先に持っていき、そこでヒアリングを行います。

そうして最終的に10品くらに絞ってこの10品を輸入します。

「自分たちで輸入し、自分たちで販売し、自分たちでマーケティングし、自分たちでタイに広げていく」をタイ人スタッフに感じさせる、ここ大事にしてますね。

 

実務として輸入でまず必要になるのは成分表です。配合率まで必要なんですよ。

こちらは日本のメーカーから提出してもらいます。

弊社の方でFDA登録を行います。

 

FDAを取得し終わったらEPAを日本で取得します。

出荷されたものがタイに入り、佐川さんから予め決まった得意先に納品するのが通常の方法です。我々の方で独自に仕入れるということはあまりやっておらず、得意先上でほぼ決まっているものを仕入れています。

 

藤江:

ちょっとだけ読者目線になって補足させてもらいますが、FDA登録とは、タイの食品医薬品承認局(Food and Drug Administrationで略してFDA)で承認をもらうということですね。現在、斎藤さんは化粧品卸事業をやる中で、化粧品や、サプリなどの健康食品を輸入・販売されてますが、そういう化粧品や食品については、輸入、販売前に製品の内容について申告することが義務となっています。

 

あと、EPAというのは、 経済連携協定(EPA)の恩典を利用するための特定原産地証明書のことですね。日本とタイとは、経済連携協定よって関税の減免が適用されますが、その恩典を利用するために、日本が原産地であることを証明する書類を取得することになるんですよね。

 

齋藤:

補足ありがとうございます。そのとおりです。このFDAが化粧品販売のために必須になるんですが、これには苦労する人も多いはずです。

 

FDA申請で重要なポイントは?

 

木村:

タイで商品を販売するのに欠かせないFDA。

この壁にぶち当たる人って結構多いのではないかと思います。

御社では多くの商品のFDAを取得された実績があると思いますが、何かポイントってあるんですか?

 

齋藤:

書類の作成や準備がしんどいので、日本側メーカー様の折れない心が一番大事です。

成分表を出すにしても配合率まで開示義務があるので、その書類が裏で出回ればコピー商品がすぐ作れてしまいます。

だから日本のメーカーさんはあまり成分表を開示したくないと思います。何年もの開発期間とコストをかけて作っているものですから当たり前ですよね。

そこをしっかり交渉しながら理解を得て、タイの法律に沿って必要な書類を揃えていく。

 

「HS(成分識別番号)がない、キャスNo(商品識別番号)の日本との違い」

 

こういう点を理解していただいて、何度も情報をやり取りさせてもらって、完璧な書類ができるのですが、その過程で折れてしまうメーカーさんもおられます。

輸入前から顧客との信頼構築は必要です。

NDAなどのやり取りも含めて非常に煩雑ですが大切なやりとりと認識しています。

 

また、タイの化粧品FDAはヨーロッパの判定基準を参照しています。

なので、日本ではOKでもヨーロッパではだめなものは、タイでもだめ。

あとはタイに初めて入ってくる成分は、認証がきつい。

 

木村:

健食はFDAは取得がかなり厳しいと聞きますが、数々の実績のある齋藤さんから見てやはり難易度としては高いのでしょうか?

 

齋藤:そうですねー。今回ダイエット補助サプリメント商品を輸入しましたが、FDA取得だけで3年かかりました。

その商品は白インゲン豆を主成分にしているのですが、通常のインゲンはFDAで過去認可された実績がある。しかし、白インゲンは実績がない。「で、白インゲンって何よ?」というところからスタートです。

これをすべて公式な書類で準備します。

 

こういう1つの成分だけでも数ヶ月もかかるが、このような成分が40種類も入っている商品だったので3年という時間を要しました。

 

健食のFDA取得が難易度が高いのは主に成分表の部分です。

例えばビタミンC。

タイでは含有量の上限が驚くほど低い。一定量を超えるとすぐに医薬品という扱いになってしまう。

医薬品となるともう大変です、臨床結果やら、厚生労働省の公式文書、ドクターの見解やらなにやら、恐ろしい程の書類が必要になります。

 

木村:

そういった理由で難易度が高いのですね〜

よく難しいと聞きますが、理由が明確になりました。納得。

齋藤さん、こう見えて47歳…若すぎだい!!

 

輸入について

 

木村:

FDAに続いて気になる人も多いと思うのですが、輸入の流れを作るのに大変だったこととかってありますか?

 

齋藤:

そうですねー、立ち上げ当初は全ての用語がわからないレベルで、FOB、CIF(貿易用語)などすらわからないという感じでした。笑

そりゃそうですよね、仙台の営業担当者が輸入実務なんて分かるはずもありません笑

タイ通関との兼ね合いも色々苦労しました。

通関で商品が紛失するのは日常茶飯事。1品20個も紛失する場合もあります。

(通関の検査名目なら1個でいいはず)そんな経験もしました。

 

木村:

商品の紛失・・・タイの港でですか?・・・タイの郵便局などでもよく聞いた話ですがビジネス上でも起こりうるのですね。。

 

齋藤:

起こる、起こる!あと絶対にアンダーテーブルを要求されますよ。

僕らは絶対払わないというスタイルを最初から通しています。

しかし、こうするとかなりいじめられるんですよ。

5万ピースもの商品が入ったコンテナを全部開けられて、すべての商品写真とパッケージのタイ語翻訳書類を作成し、大使館に行って公式翻訳文書として認定印もらってこい!等と、もういじめを通り越す様な無理難題をいわれて作業が増えるんですね。

その時は600枚以上の書類を4日で仕上げて通関に提出しました。

 

木村:

うおぉぉぉ。。それって本当ただの嫌がらせですよね。。。

 

齋藤:

でも屈することなくしっかりとやっているうちに「この会社はアンダーテーブルを払わない」という認識が通関にできてくると諦めてくれるようになり、少し楽になりました。

 

タイの物流について

木村:

色んなところにドラマがあるな〜。

その一つ一つが今に結びついているというのが共通していますね。

では輸入の次の流れを聞かせてください!

 

齋藤:

基本の物流の流れは日本と同じ。だけど日本のような確立された受発注システムがなく、日本の30年前のやり方のような感じです。

今日本ではデータによる受発注がほとんど。というか、これ当たり前ですよね。

しかしタイではFAX(紙)やメール(PDF)で発注書が来る。

発注書をみながら手入力。小売大手のセントラルグループがこの方式で発注するんです。

ここが変わらない限りはこの国は変わらないと思います。

そういった理由により入力担当者を置かないといけない。

日本の本社からは、この部分について何でそんなに人が必要?と言われるんですよ。

そりゃ日本の常識から考えれば、データ入力者なんてそんなにいらないですよね笑

 

木村:

ですね。これもタイならではの必要事項ってことですね〜。

 

齋藤:

店舗は基本日曜夕方に発注。

毎週月曜日の朝に大量の発注書を確認しプリントアウト。

パンチャー(入力担当者)が大量にデータ化。データ完成後、DC(倉庫)に発注指示データを送り、翌火曜日に倉庫側でピッキング(箱詰め作業)。

水曜日に出荷&店着(これでも遅いが、これが最速)。

店舗発注から店着まで3日必要という事になります。

 

場合によっては配送側から「雨が降ったから行けません」「道路が混んでいるので配達は無理ですねー」なんて言われる事もあります。

アメイジングタイランドですよね笑

全て慣れましたけど、どんな状況でも今では想定内と考える様にしています。

 

木村:とんでもないフローですね。。

けどわかります笑

ちょっとやそっとのことでは焦らなくなりますよね。

 

すばり!!タイで売れている商品とそうでない商品の違いは?

木村:ささ!

最も聞きたかった質問です!

もうずばり聞いちゃいましょう。

数多くの商品をタイで流通させているSiamOhyamaさんだからこそわかる、タイで売れる商品とそうでない商品の違いを教えてください!

 

齋藤:

商品選定では成分が何でどのような効果があって、使い続けるとどうだっていう効果面で検討をする場合が多いと思います。

しかし我々はその他にパッケージを圧倒的に重視しています。

女の子がお店に買い物に行った時、成分をそこまで気にしていない人が多いんじゃないかなと思いますね。

「やだなにこれかわいい!」

「かわいすぎるぅ!」

等、パッケージに誘引されるケースが8割くらいだと考えています。

だから、成分以上に見た目を見極めることを重要視しています。

 

あとは、使ってすぐ効果が出るものを扱うようにしています。

塗って白くなる(お風呂にはいれば落ちるが)

などの「わかりやすい」効果がある商品が受けていると思います。

その上で次に価格でどう勝負できるかを考えるフェーズに入ります。

目安としてはタイの消費者が購入できる500バーツ前後の価格帯のものを選定しています。

タイで売れる商品は!?という安直な質問にも惜しみなくバスバス答えを言ってくれる齋藤社長。もう、ほんと、ありがとうございます。

 

そして最も重要なのがタイ人のスタッフの目を信じる。

これはなかなか難しいとは思うんですが、上司からあれやこれやと言われるのは僕も嫌いです。やらされてる感があり嫌悪感を抱いてしまう。

これはタイ人も同じで嫌だと思います。僕が嫌なら絶対タイ人だって嫌なはずだ笑

 

タイ人スタッフ達が、自分でいいと思ったものを売ってもらうということを意識しています。

そのためには必ずスタッフに使ってもらって効果を感じてもらうようにしています。

今では商品が溢れかえって、もういらないです!って言われますが、そこは強引に使わせてますね笑

 

木村:

おおおぉぉ。これは今からタイのマーケットを検討されておられるメーカー様にも大変参考になる内容だったのではないでしょうか!

効果効能よりまず見た目、タイ人が求めやすい価格帯、タイ人が良いと思う商品。

是非こちらを頭に入れて戦略を考えたいですね!

 

藤江:

パッケージは、化粧品法で広告の表現が規制されていますよね?もちろんパッケージの表現もタイ語に翻訳してから、実際にFDAに申請して許可を得ると思うのですが、実際のところ、タイ語と日本語の表記が合致しているのかな?とふと疑問に思うことがあります。

 

特に日本で作成されている商品の包装とかは、あくまで日本基準で作られているでしょうし・・・。FDAの担当官が内部的に翻訳の正確性をどこまで確認しているかは分からないのですが、実際のところタイ語の表記と日本語の表記がズレているケースなどもあるんでしょうか?

 

齋藤:

ありますね。日本語の包装や商品パッケージは、タイ人には読めないものがありますから。FDAの申請時にタイ語訳をごまかして、日本語の表現と申請内容がズレているようなケースは確かに存在しています。それだけ見て、「こういう広告表現ありなんだ」って思ってしまうと少し危険かもしれません。当社では、日本語の表現物で、タイでは許可されていないものについては、自社でパッケージの上に被せる印刷物を作成して、それを店頭に陳列してもらうという対応をとっています。日本語だから表現の規制を潜り抜けれるということはないので。

 

このシリーズでは変な顔ばかり載せてるのでMrの決まってる写真をお楽しみください。実物は1.5倍男前でドヤ顔です。

 

タイで日本の商品を流通させる時の注意点は?

 

木村:では商品が選定してからいよいよ流通に乗せる段階に入ると思うのですが、

この際の注意点などってございますか?

 

齋藤:

はい!まずは安売りしないこと!

 

我々はまだそういう時期じゃないと思っています。

日本では様々な競争があると同時に、競合店もあり、まさに価格競争になっているんですが、タイではまだまだ日本の商品が少ない。

安売りして自社の商品の価値を下げる必要はまだないと考えています。

売り上げが欲しいからと言い、焦って売るということではなく、自分達の商品に自信をもつ。消費者が欲しがる様な施策を打ちながらその時を待つ。

商品によっては当然攻めも必要です。ただ弊社の商品はそういうものじゃない。

尖った商品を、尖った戦略で仕掛けていく。まずは、ある一定のコアの層に支持されればそれでいい。その後口コミを経てじわりじわりと広がっていく。

 

すぐに商品をばらまくような大量販売は弊社は適さないと思います。

ですが長く使ってもらえるブランド構築を出来る方が、今のタイの市場にはまだまだ良いと思っています。

 

木村:今までの経験に基づく貴重なご意見ありがとうございます!

やはり現地で戦っておられる経験者からのお話は説得力違いますね。

実際僕は今まで日系の進出に失敗をよく耳にしてきましたが、齋藤さん、原因もこの辺に関係していると思われますか?

 

齋藤:

まずは皆乗り込んできてすぐに売上を作りたいから、大手財閥系小売店やドラックへ最悪な取引条件で出荷してしまうからだと思いますね。

 

最初はいいんですよ。最初の3ヶ月は納品されるから売り上げが立つわけだから。

しかし、契約が委託販売なのでその後売れないと、商品代を回収できない。

売れなければ店頭で値引きされる、プロモーションと称して安売りされる、そこからさらに時間が経てば返品されて大変な事になる。

こうなったらそのブランドはおしまいです。安売りイメージのダメな日本のブランドになってしまい、タイでは再起不能になってしまいます。売れればいいんですけどね・・・。客単価200バーツそこそこの多店舗展開しているドラックストアに、500バーツの輸入化粧品が並んでも売れるはずがないと思いますけどね。

 

木村:

やはり安売りせずに時間をかけて商品のブランド構築をするのがとても重要ということですね。

 

タイにおける化粧品卸業界の特徴

 

齋藤:

タイでは、商品を納品したらもう仕事終了と思っているところが多いと感じます。

販促物の作り込み、展示の方法等にもこだわりお客さんの手に渡るまでが僕らの仕事だと思っています。

そこを日本と同じ様に、ごく普通に業務として行っていく事が大事。

あまりにもタイのディストリビューターは商品を放ったらかしすぎる笑

 

木村:

そこは日本とタイとの大きな違いの一つかもしれませんね。

 

齋藤:

また、未収金については、必ず、必ず…あります

その場合はまめに催促するという形で対応しています。

それでも回収できない部分といのも中にはあり、そこは仕方がないと捉えています。

 

木村:

はい、この部分は出てきそうですね。。業界違いますがやはり弊社もあります。。

 

ここ最近で変化していっていること

 

木村:齋藤さんは5年間こちらの業界におられる訳ですが、この5年で変化していってることってありますか?

 

齋藤:

まず、最近FDAがものすごく厳しくなりました。

4月に※2マジックスキンという事件があり、成分に虚偽がないかのチェックが厳しくなりました。

※2マジックスキン事件:マジックスキンという人気化粧品が虚偽のFDAだったことが判明。

PRに協力した多くの芸能人や利用消費者を驚愕させてトップニュースになった事件。

 

また、新しいルールとして輸入した商品は、ロット番号ごとに3年間オフィスに保管しなければならないというのもあります。(1種類1個)。

これらは原則3年経ったら廃棄していいとされています。

とにかくいつFDAが監査しに来てもすぐ対応できるように準備しておく必要があります。

 

うちは全てにおいて正規のやり方で手続きしていますが、他の代理店を利用しているお客様では成分を開示せずにFDAが取得できたりしてしまっている現状があり、そういう対応によって商品を販売できると誤解しているメーカーさんも多くおられます。

 

ここは外国で、お金で解決できてしまうこともある国ですが、マジックスキン事件などが良い例で不正に取得したFDAなどは常に大きなリスクを抱えていると自覚した方が良いと思います。

 

木村:

お金で不正に取得したものなどは大きなリスクを抱えている、これは是非日本から来られる方にも理解して頂きたいですね。

特に不正に取得したつもりがなくても現地の代理店が不正に取得しているケースもあると思いますので是非そこは慎重に見定めて欲しいです。

 

齋藤さんの今後のビジョンを聞かせてください!

 

木村:

さて、現在タイで大成功されている齋藤さんですが、今後のビジョンが気になります!

是非お聞かせください!

 

齋藤:

僕個人としてはこの国は世界一好きな国で、できることならこの国にずっと住みたいと思っています。

ASEANで拠点を立ちあげていきたいという考えも持っており、その為にもまずはタイ人による運営ができるタイ法人を作り、僕自身はASEAN域内でもっと日本の商品が流通できる様な環境を作る動きをしていきたいと思っております。

 

木村:ASEAN展開ですね!

商品が流通できる環境作り、というのはすごく夢がありますし是非日本の良い商品をASEAN域で流通して日本の企業を元気にして頂きたいです!!

 

今後、タイ進出を考えている方へメッセージ

 

木村:

それでは最後になりますが、これからタイ進出を検討されている方へメッセージを頂けますでしょうか?

 

齋藤:

正直相当厳しい世界だと思いますよ。笑

タイで実際に業務に携わる方の気持ちの持ち方、意思の強さが大事だと思う。

誘惑も多い環境化で、楽をしようと思えばいくらでも楽ができる、不正もしようと思えばいくらでもできる。

その中でしっかり自己管理すること。

妥協する気持ち、諦める気持ちなどのバランスをうまく取ることが大事かと思います。

 

日本ではこうなんだけどな、日本人ならこうなんだけどな。

こんな気持ちは通用するはずもなく、全てをリセットしてタイ人と共存する事。

これが一番重要なポイントです。

もしタイで化粧品を販売したい方がおられましたらまずは是非ご連絡ください。

 

木村:

ありがとうございましたー!

いやー、今回は超大作になりました笑

本当に参考になるお話、実になるお話を聞かせて頂けて大変感謝です。

 

齋藤:

いやいや、長時間のお付き合いほんとすみません!

日本人一人で仕事してると寂しくてね、余計な事まで話したくなるんですよ笑

日本語で会話できることってほんと幸せだなと思います!

その辺で見かけたらぜひ声でもかけてください!

きっと喜びますよ笑

 

木村:

だそうです、是非皆様声をおかけください!笑

齋藤さん本当にありがとうございました!

 

⬇︎SIAM OHYAMA CO.,LTDへのご連絡はこちらまで!

 

住所:4345 Bhiraj Tower at Bitec Building, 14th Fl., Room No.1409-1410,
Sukhumvit Rd., Bangna South, Bangna, Bangkok 10260

Phone:(+66)-2-117-0301

Fax:(+66)-2-117-0302

Email:info@ohyama.co.th

 

⬇︎タイでのお仕事の際にGVA法律事務所のミスター頼れる男に相談したい!という方はこちらまで

http://gvalaw.jp/service/global/thailand

木村:

さてさて今回はタイにおける日本商品の輸入から流通まで、という形で本当に貴重なお話を伺うことができましたねー。

ちょっと長いですが、色んな方に読んで頂きたい内容だなと思います。

最後まで読んでくださった皆様ありがとうございました!

 

それではまた次回!

みんなで一緒にタイを知ろうぜ!

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